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067

「先ほど、宮沢さんと少し話した」
 ピクリと石川の眉が揺れる。
「さっきの話の続きか」
「ああ……あの人が純粋に好意で隊員を見舞うことはないだろう」
 理由がなければ、あの人は動かない。隊員たちを、というよりはむしろ橋爪の様子窺いだろう。実際、自分が委員会の人間で同じ立場なのだとしたら、自分の目で確認しない限り報告書の状況を認めることはできないだろう。隊員たちが虚偽の報告をしているとは思わないまでもだ。
「うちの班員については、先ほど隊長に報告したとおりだが」
「ああ、分かっている。いざという時には室班からヘルプを出す。それでよかったな」
「ああ」
「で? 問題はDrの方なんだろう? 実際、宮沢さんがそれ以外に病棟まで行くとか考えられないからな」
 石川にも分かってはいたのか。
「今までも病棟への監査がなかったわけではないが、時期が時期だけにな……その辺りだろうとは思っていたが」
 だから、そう石川に応じして。実際、彼の査察に立ち会ったのは初めてだが。
「それは、堺医師の提出した報告書を怪しんで、とか?」
「報告書がどうのってより……」
 西脇は言いよどんだ。口にしなければと気ばかりは焦るが、それが容易には言葉にならない。
 テーブルにふと目を落とすと、先ほど中途半端に口にした食事はきれいに片づけられていた。
「……食べたいなら、別に頼むといい」
「いや……」
 思考のどこかが霞むかのようにぼんやりとしているのは、先ほどまでされていた点滴のせいか。それとも、自分の脳が、このことを考えるのを拒絶でもしているのか

「食欲がなくても、後で摘まむ程度でもいいから、適当に何か胃には入れておけよ」
「……そんな気分じゃない」
「石川さん、それは今夜はいいよ。点滴もしたし―――無理強いはよくないよ」
 三浦が自分たちの会話に割って入ってくる。三浦の医師としては当然なことなのかもしれないが、妙に自分を庇うような発言に少し苛ついてしまう。それだけ三浦に対しては余裕をなくしているのかもしれない。
「それより、話はDrのことなんだろ? 僕も一緒にとなると」
 だから、どうしてこの男はずかずかと自分のプライベートに踏み込もうとするのか。
「……ああ」
 深い息を吐き出し、西脇はソファに座り直した。
「その通りですよ、三浦医師」
 態とおどけてみても、三浦の厳しい顔は変わらない。
「宮沢さん、Drのことで何か言ってきたんだろう?」
 いきなり話の核心に触れてきたのは石川だった。実際、こんな風にして話すのは、それ以外にはありえないのだろうが。さっきから、言い出したのは自分なのに、それでも言いよどんでしまう自分がいる。
「……西脇、言いにくい話なら無理に話そうとしなくてもいい。宮沢さんが何か言ってきたって、俺が何とかするから」
「……別に、宮沢さんがDrに対してどうこうとかそういうことじゃない。Drの状況は分かってくれている。そして、その異常さもな」
 それでも話をせずにはいれないだろう。
 ただ、重い口を開くのに、石川の言葉がきっかけになったのは間違いがない。



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